第16期事業報告書
(2023年4月1日〜2024年3月31日)
特定非営利活動法人MIYAZAKI C-DANCE CENTER
1.事業の成果
第16期も、多数の会員や団体の協力のもと、平成20年度の設立時に掲げた趣旨・目的に沿い種々の事業を企画実施した。国際こども・せいねん劇場みやざき/透明体育館きらきらの提携業務の5期目。新事業の「空はひろいな!〜みやざき国際ダンスフェスティバル 2024」を当法人のメイン事業に据え展開していく。※太字は新規事業
【劇場部門】
👉👉フェスティバル《当法人メイン主催事業》
- 空はひろいな!みやざき国際ダンスフェスティバル2023
👉👉ダンス公演
- Month 1 CandY 2023年暮 ダンス公演「いつもの私、いつものあなた」《主催事業》
- ムーブメント・アート・インみやざき2024 スクールダンスコンクール 開催 & メタバース生配信《協力事業》
- アート遠足「未就学児劇場へようこそ」(桜ヶ丘幼稚園)《主催事業》
- 第2回 地域文化倶楽部 「CandY文化祭」《主催事業》
👉👉ワークショップ・トレーニング・研修
- 地域文化倶楽部事業《主催事業》 スポンサー:米良電機産業株式会社(企業メセナ協議会「THIS IS MECENAT 2023」認定事業)
メタバースクラブ(全22回)、イマジネーションダンスクラブ(全27回)踊るスポーツマンラボ(全18回)、
こどもCanトレ(んまつーポス鬼ごっこ、GW企画、夏休み企画、フレスコボール)(全7回)
- んまつーポスとトレーニングする「Canトレ」(全30回)《自主事業》
- きらきらアート保育園 んまつーポスの時間(全28回)《協力事業》
- 幼稚園ワークショップ(あおぞら幼稚園)《自主事業》
- 宮崎大学教育学部附属小学校 自主研修会「運動会に向けて」《協力事業》
- 宮崎県女子体育連盟ダンスセミナー(全2回)《協力事業》
- 税理士によるインボイス制度研修《自主事業》
- 米良電機産業株式会社 新入社員研修《協力事業》
👉👉その他
- きらきらアート保育園行事協力《協力事業》
- 学生インターン受け入れ《自主事業》
- 視察者の受け入れ《自主事業》
※大駱駝艦、CONTE-SAPPORO、坂本善三美術館、宮崎県立芸術劇場、HUMAN DANCE ARTS、宮崎県国スポ・障スポ準備課、
宮崎県スポーツ指導センター、川南町文化ホール、米良電機産業株式会社、テゲバジャーロ宮崎、鳥取大学、宮崎大学、他
👉👉劇場事業実施における年間来場者
- 2023年4月1日〜2024年3月31日 約4097名(子ども:3068名、大人1029名)
【産学・地域連携事業部門】
👉👉主な事業
- 令和5年度文化芸術による子供育成総合事業文化芸術による子供育成総合事業-芸術家派遣事業-<学校申請型>/実施校:22校《申請時コーディネート、報告書作成》(内新規実施校:6校、宮崎大宮高、くろしお支援、祝梅小(北海道)、西和賀高(岩手)、川西小(大阪)雙葉学園(福岡))
- 令和5年度文化芸術による子供育成総合事業-コミュニケーション能力向上事業-<学校申請型>>/実施校:1校/宮崎市立宮崎港小学校《申請時コーディネート、報告書作成》
- 教員研修会等の実施《コーディネート事業》/宮崎県スポーツ指導センター、石狩教育研修センター(北海道)《協力事業》
- 自校の教員研修会等の実施《コーディネート事業》/川西小(大阪)《自主事業》
- 学校体育実技サポーター派遣事業(宮崎県教育委員会)/西都市立都於郡中、日向市立財光寺中《協力事業》
- 学校でコンテンポラリーダンス鑑賞教室/広野町立広野中(福島県)《自主事業》
- 宮崎市スクールコンサート事業/宮崎市立鏡洲小《受託事業》
- 附属学校園ワークショップ(小学校・運動会に向けたWS、幼稚園・ムーブメントに向けたWS)《協力事業》
- みやざき県民総合スポーツ祭オープニングアクト《コーディネート事業》
- 宮崎県人会世界大会 香港団として参加《協力事業》
- ムーブメント・アート・インみやざき2024《協力事業》
- 2023年度パープルリボンキャンペーン《コーディネート事業》
【国際連携事業部門】
👉👉主な事業(海外)
- 令和5年度日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)応援プロジェクト
日本型教育「創作ダンス(SOUSAKU-DANCE)」に「鑑賞教室」(特別活動の文化的行事)
をセットさせた「シン・SOUSAKU-DANCE」の海外展開事業(代表機関:一般社団法人namstrops)
《連携事業》※ QRコード
【その他】
👉👉受賞
・第17回キッズデザイン賞 子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門
キッズデザイン協議会会長賞受賞 作品名:『創作ダンスで校歌を残すプロジェクト』
👉👉学術研究
・宮崎大学産学・地域連携センター第30回技術・研究発表交流会における取組事例発表/ポスター発表
-《学術研究事業》※ QRコード
・第75回舞踊学会 ポスター発表 『地方のアーティストが拓くダンスフェスティバルの可能性』
-《学術研究事業》
👉👉メディア
・ひなた宮崎経済新聞「みやざき国際ダンスフェス」開催へ 世界のコンテンポラリーダンス披露 2023/5/25
・月刊情報 タウンみやざき 434号「おでかけママ & キッズ」 「空はひろいな!みやざき国際ダンスフェスティバル2023」2023/5/27
・宮崎市 ホームページ観光・文化 情報サイト「空はひろいな!みやざき国際ダンスフェスティバル2023」
・MRT テレビ「 Check!」「宮崎を「創作ダンスの聖地」に 「みやざき国際ダンスフェスティバル」が初開催」2023/6/13
・夕刊デイリーWEB 「THIS IS MECENAT 2023 県内で初、米良電機を認定-企業メセナ協議会」2023/7/13
・宮崎大学 ホームページ 「創作ダンスの力で廃校になっても校歌を残したい ~第17回キッズデザイン賞を受賞~」 2023/8/24
・宮崎大学 ホームページ 「宮崎大学客員教授・客員研究員を中心に構成するグループが キッズデザイン協議会会長賞を受賞」2023/9/29
・米良電機産業 ホームページ 新入社員研修2023 ×んまつーポス
・KIDS DESIGN MAGAZINE「これからのアウトリーチを考える」〜ダンスカンパニー”んまつーポス”研修プログラム〜レポート 2023/10/5
・EDU-Portニッポン ホームページ 日本型教育「創作ダンス(SOUSAKU-DANCE)」と「鑑賞教室」(特別活動の文化的行事)をセットで
提供する「シン・SOUSAKU-DANCE」の実現に向けて (令和5年度応援プロジェクト:一般社団法人namstrops) 2023/8/29
・YAHOO!ニュース 「子どもの未来をつくるデザインを表彰するキッズデザイン賞」2024/3/18
2.事業内容
(1) 特定非営利活動に係る事業
フォトブック(事務所保管)及び、本法人ホームページ参照
(2) その他の事業
その他の事業は実施なし。
3.総括
第16期の特筆すべき事業として、劇場事業部門、産学・地域連携事業部門、国際連携事業部門ごとに総括する。
<劇場事業部門>
👉フェスティバル
東京の「SAI DANCE FESTIVAL」(芸術監督:崔柄珠)と連携して、わずか2か月の準備期間で実現した新企画「空はひろいな!みやざき国際ダンスフェスティバル2023」。劇場OPENから4年、COVID‑19の影響で待たされたものの、ついに国際フェスティバルを開催することができた。すでに東京入りしている海外のアーティストを国内旅費(羽田〜宮崎)で招聘し、地方での国際的なフェスティバルを持続可能な形で実施するための先進的な展開モデルであり、記念すべき第1回は、アメリカ、カナダ、日本のアーティストが作品を上演した。
特筆すべき点が二つ。一つは観客層で、2日間ともに観客の半分以上が小さい子ども連れの親子であり、最年少は2歳の幼児だった。驚いたことに、子どもたちも最後までしっかりと鑑賞していた。もう一つはフィナーレで、スタイルの異なる招聘アーティスト全員が共創した創作ダンスを披露した。観客からは「それぞれ違う踊りだったけど、一つの作品になっていてとても楽しかった。」との声が聞かれ、また、カナダのJosh Martin氏は「私たちのダンスへの情熱を地元の観客と分かち合うために、ステージで一緒に踊る機会を与えてくださったことに感謝しています。」と述べ、年齢、国籍、言語を超えて、観客と演者が一つになった2日間でした。また、期間中に招聘アーティストと地域のバレエスタジオ等の協力の下、子どもたちが参加しやすい「みやざき国際ダンスワークショップ」も企画・実施。アメリカのAllen Xing氏は「最も重要なことは、宮崎の生徒と教える時間を共有することです。」とSNSに投稿していた。
以上、地元メディアの取材や市長表敬訪問、地域の企業・団体との新たな繋がりもあり、新規の国際フェスティバルに対する地域の期待を感じるフェスティバルとなった。この事業を当法人のメイン事業に据えて、今後継続していく。
👉地域文化倶楽部
昨年度に引き続き、本年度も以下の4つのクラブ活動を実施した。1つ目は「ちいきメタバースクラブ」、2つ目は「イマジネーションダンスクラブ(イマダン)」、3つ目は「踊るスポーツマンラボ」、4つ目は「こどもCanトレ」です。この事業の継続性と将来性が評価され、米良電機産業株式会社との連携(企業メセナ協議会「THIS IS MECENAT 2023」認定事業)や協賛をいただき、実施できた。年末にはイマジネーションダンスクラブの公演を、年度末には各クラブが成果を発表し合う合同文化祭を開催した。クラブに参加した子どもたちが、それぞれのクラブでの学びを発表を通じて共有する姿が印象的だった。
<産学・地域連携事業部門>
👉文化芸術による子供育成総合事業
令和5年度の「文化芸術による子供育成総合事業」の〈学校申請型〉では、実施校の選定条件が厳しくなったため、宮崎県教育委員会や現職教員と情報共有を図り、より多くの宮崎県内の学校が採択されることを目指して協働し申請を行なった。その結果、例年を大きく下回る23校が採択された。選定条件に合致しない多くの学校は不採択となった。当法人はこれまで、宮崎県内での当事業の実施校を開拓し、事業の広がりと継続的な実施による効果、および多くの児童・生徒への芸術文化体験の提供機会の増加を期待していた。そのため、今回の選定条件の変更は残念だった。しかし、選定条件に合致する学校の多くが採択されていることから、次年度に向けて事業の展開を図っていきたいと考えていきたい。
また、今期不採択となった「コミュニケーション能力向上事業〈NPO法人等提案型〉」は、次年度に採択された。宮崎県教育委員会、宮崎市教育委員会、西都市教育委員会から連携協力をいただき、申請時に掲げた、再編や統合が予定されている学校や広域から児童生徒が通う学校等で予想される教育課題の解決に資する活動内容が評価されたと捉えている。引き続き宮崎県教育委員会をはじめ関係機関と連携し、事業の実施とさらなる展開を図っていきたい。
👉自校の教員研修会等の実施
令和5年度、「文化芸術による子供育成総合事業」の〈学校申請型〉において、派遣されたアーティストが講師となり、教員向けの校内研修を実施した学校が1校、地域の教育機関を巻き込んで教員研修を実施した学校が1校あった。教員は、派遣されたアーティストが児童生徒に行ったワークショップの内容を体験することで、児童生徒の学びを最大化する方法を学びました。また、事業の担当教員以外の教員や、地域の教員にも情報を共有することで、次年度以降に本事業を希望する教員(学校)が増えることが期待されます。
👉学校でコンテンポラリーダンス鑑賞教室
法人設立年度より自主事業として実施してきた「学校でコンテンポラリーダンス鑑賞教室」は、福島県の広野町立広野中学校で実施した。これは東北地方で初めての実施となった。本法人が2013年以来、福島県いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスと協働して事業を展開してきた成果と捉えている。今後も、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、さまざまな場面で制限が緩和されることにより、文化的行事を積極的に検討する学校の増加が予想される。本法人が管理運営する国際こども・せいねん劇場みやざきを会場とした鑑賞教室事業やアート遠足事業等も含め、事業のラインナップを充実させ、子どもたちの文化的活動の充実と拡充に寄与する提案を行っていきたい。
<国際連携事業部門>
👉令和5年度日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)応援プロジェクト
当法人は、2017年より文部科学省の「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」の採択機関として活動を続けてきた。2023年度より、知的財産活動の継続・推進を目的として、2022年9月に宮崎大学発のベンチャー企業となった一般社団法人namstropsが代表機関となり、当法人はパートナー機関として事業に参画している。2017年以降の本事業における様々なプロジェクトの実績を生かし、一般社団法人namstropsや宮崎大学とともに、「世界を視野に地域からはじめよう(宮崎大学スローガン)」を掲げ、引き続き連携を図っていきたい。
<おわりに>
その他第16期に特筆すべき内容としては、5期目となった透明体育館きらきら/国際こども・せいねん劇場みやざきの管理運営業務において、こどもCanトレやCanトレ、夏休みのワークショップ企画など劇場で行うソフトの開発を進め、殊に今期は、公演「ARTS for the future!(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)ダンス公演「たがる3」《主催事業》」において多額の費用で作成した有名建築の模型(高密度発砲スチロール製)を再利用した「スポーツ鬼ごっこ(んまつーポス鬼ごっこ)」を開発し持続可能な取り組みとして実施できたことも成果の一つとして挙げたい。また、今季で7年連続となったキッズデザイン賞の応募と受賞など、継続した活動等が子どもたちをはじめとした市民に還元され、本法人が掲げるミッション等の二度とは立ち返れない子ども・青年時代に必須のやさしい人間体験“からだをひらき、こころをひらく”と子どもが楽しい大人のコンテンポラリーダンスを初めとしたアート体験の推進を図り、事業を安全に実施し社会に貢献できる体制を整えていきたい。